えちごトキめき鉄道 ET122形(イベント兼用車)

ET122-7ET122-8

2015年の北陸新幹線開通では北陸線・信越線の並行区間が第3セクター化され、新潟県の妙高高原~直江津~市振間は「えちごトキめき鉄道」が継承しました。このうち旧北陸線区間には電車では無くJR西日本姫新線で活躍するキハ122形と同型の車両が選択され、ET122形として8両が登場しました。このうち2両は「イベント兼用車」として一般車両とは内外装を変えており、ET122-7は日本海の魚介類をあしらった青系の、ET122-8は沿線自治体の花をあしらったカラフルな外観が特徴です。

7運用を8両で回す厳しい運用で、当初目的のイベント運用に充当する余裕があるのかよく分かりませんが、旧北陸線の「日本海ひすいライン」泊~直江津間で運用されています。今回は洗練された青系のラッピングが目を惹くET122-7「NIHONKAI STREAM」の様子をご覧頂きます。


ET122B-車内全景

まずは車内全景…と言いつつ諸事情で車両中央付近から短めにお届け。姫新線キハ122形ほぼそのままのレイアウトに関空快速を連想させるモケットの通常仕様車とは打って変わって、派手なモケットと2列+2列のボックスシートが並ぶレイアウトが独自性を主張します。

ET122B-乗務員室仕切

乗務員室仕切です。仕切戸は他車併結時であっても閉じた状態が定位ですが、ワンマン運転時には開放し運賃箱を引き出します。運賃箱が客席側にまったく飛び出さない合理的な構造です。

ET122B-運賃表

貫通路上にはLED式の情報案内装置と運賃表を設置、運賃表部分の青が目立ちます。運賃表は旧信越線「妙高はねうまライン」各駅も網羅。

ET122B-トイレ1ET122B-トイレ2

トイレはレール方向に長く取った車椅子対応型。

ET122B-車椅子スペース

トイレの向かいは車椅子スペース。一般車両の場合は奥の座席が1人掛けですから車椅子が通路側に飛び出すような形になってしまいますが、この車両ではそういった問題は発生しません。

ET122B-扉

扉は1300mmの両開き。姫新線のキハ122・127形は将来の転用を考慮しステップの準備工事が行われていますが、本形式は走行線区全駅のホームが電車並みであり将来に亘ってステップが必要になる場面が無いため通常の構造です。どちらかと言うと車内より外観で目立つ部分でしょうか、かく言う管理人も本頁作成中に気付きました(汗

ET122B-天井

天井は扉間の吊革が一切無く、照明も電球色として一般仕様車との差別化を図っています。

ET122B-床

床は一般仕様車とは異なる柄入りの灰色ですが、光の加減で結構印象が変わるようで…

ET122B-窓

大きな窓は大半が二段式、上3分の1は開閉可能です。荷棚は一般仕様車と同じパイプ式、折角のイベント対応車ですから少々値が張るかもしれませんがJR西日本標準の前飾り付きを見てみたかったところ。なお窓下にある金具はイベント対応車とあって大型テーブルを設置するためのもの。

ET122B-ボックスET122B-ボックス2

座席はボックスシート1種類のみ。転換クロスシートに合わせた窓割に合わせて座席を配置した結果、ボックスピッチは驚きの1820mmを誇ります。かつて同区間を走った419系の1900mmには及びませんが、同社で時折実施している「夜行列車体験」も間にスペーサーか何かを用意すれば夜行どころか寝台列車のように仕立てられるような気がします。ボックスシートの単独利用で気になる向かいの他人との距離も十分確保されており、前述した大型テーブルもこのシートピッチですから窮屈と言ったことは無さそうです。

赤に黄色に青も混じった派手なモケットは上杉謙信愛用の「金銀欄緞子(きんぎんらんどんす)」模様、更に木製の肘掛や肩握りなど独自性が見られるこの座席。しかしフレーム自体は甘木鉄道AT300形、のと鉄道NT200形キハ120形体質改善車など各地で見られる、切り立った背摺りとが悪い意味で特徴の座席です。これだけボックスピッチが広いにも関わらずその余裕が座席には全く還元されておらず(もっとも窓枠との兼ね合いを見ると難しい部分もありそうですが)、快適性で言えば転換クロスシートの方が明らかに上と言えましょう。

ET122B-運転台

運転台はJR西日本標準の2ハンドル式。

最終更新:2023/6/16


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