名鉄3100・3700系|FTN trainseat.net

名鉄3100・3700系

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1997年に登場した3100系・3700系は、3500系に続いて製造されたVVVF制御・電気指令式ブレーキの通勤車です。外観は伝統の赤色を守っているほか基本的な構成は3500系同様ですが、屋根を高くし車体の裾絞りを無くすなどの変化でその印象は幾分異なります。2連の3100系は23編成が製造され、制御装置はIGBT素子を用いたVVVFインバーター。対して4連の3700系は5編成のみ、足回りも3500系と同等ですので「車体だけ3100系に合わせた」ような格好。6000系列のこともありますし、わざわざ形式を分けるほどのことでも無いような気がしないでもありません。ちなみに両形式とも1998年製造車から車体の設計が変更され、最初のグループとは印象が異なります。3100系は特急の増結から支線の普通まで、3700系は急行や普通で活躍しています。

両形式とも車内はほぼ同一ですので、今回はまとめてご紹介します。なお近年モケット変更が進んでいますが、それも変更前・変更後をごちゃまぜで掲載します。


(100)車内全景s10-車内全景b

車内全景です。基本的には3500系のイメージを踏襲しており、特に変わり映えはしません。左が登場時からの紫モケット、右が交換された茶色モケットですが、紫モケットは本記事作成時点(2016年秋)の時点で3100系の数編成に残るのみとなっています。

10-車端部

車端部です。3500系は貫通扉の上が出っ張っており、上部の情報案内装置はその出っ張りに収まっている格好でしたが、本系列では貫通扉だけが一段奥まった位置に設けられています。ここには写っていませんが、この変更により消火器の位置を変更して壁の内側に収めることが出来るようになりました。

10-乗務員室仕切

乗務員室仕切です。こちらは3500系と同じく上部が出っ張った形が引き継がれています。運転台直後に車椅子スペース、反対側は2人掛け席を設置。車椅子スペース側を見ると裾絞りが無いのがお分かり頂けるかと思います。

10-扉

扉です。幅は1300mm、周囲に近づけるべくクリーム色に塗装した点は3500系と同一です。90年代初頭から扉付近のスペースに関する問題に対して座席短縮という思い切った手段を取ってきましたが、不評のため3500系4次車からは補助座席を設置、結局本系列では扉の真横まで座席を設置することになりました。荷棚から繋がる形で握り棒を設けるのも名鉄ではお馴染みの構成ですが、これも本系列が最後になりました。

10-LED10-LED2

情報案内装置はLED式で車端部の貫通扉上に設置されています。3500系と同等ですが、LEDのドットが四角から丸になっているため幾分印象が異なります。表示内容は種別・行先案内や次駅案内と言った基本の内容から、画像のようなスピードメーター、沿線案内、果ては中日新聞ニュースまで内容は豊富。スピードメーターは1000系などとは異なる電車の絵が表示されます。これに慣れてしまうと他が物足りなく感じるときがあったり無かったり…
このシステムの弱点として、他形式併結時に場合によっては停車中に種別と行先のみ、動き出すとひたすらスピードメーター表示になってしまうことがあります。どうも3100系3次車や1700系あたりのシステムが悪さをしているようなのですが、詳しいことはよく分かりません。それからスピードメーターも稀におかしな表示をすることがありますが、こちらも何が原因なのか今一つ分かりません。

100-天井s10-天井

天井です。冷房吹き出し口が2列に並び、その外側に蛍光灯を設けています。吊革は扉間の場合は冷房吹き出し口と蛍光灯の間、扉付近は冷房吹き出し口の間に、いつも通り天井から直接吊っています。そして行方不明のラインデリアですが、右写真の隅に見えるように扉付近にのみ設置しています。この配置は1200・1800系と同様の設計なのですが、どうしてこのタイミングでこの設計を取り入れたのか不思議です。2枚の写真は左が1次車、右が2次車以降で、冷房吹き出し口間の色が前者は天井と同色、後者は紫がかった灰色となっています。因みに1200・1800系も後者と同様の色でした。

10-床

床敷物は3500系と同じ、フットラインも兼ねたモザイク状のラインが引かれたものです。このデザインは6000系列で車内を改装した車両でも用いられています。

10-窓103-3次車カーテンs

窓です。1・2次車は3500系と同様で扉間3枚・車端2枚の構成、カーテンはストッパーが3段の巻き上げ式です。対して3100系3次車ですが、こちらはカーテンをフリーストップ式にしています。カーテンが付いた一般車は、今のところこの3100系3次車が最後になってしまっています。

(100)9人がけs70-9人掛けbs

ここからは座席を見ていきましょう、まずは扉間の9人掛けです。3500系準拠ですが不評だった6人掛けを止めて9人掛けとし、着席機会を増加。座面は5人掛けと4人掛けに分割されています。座席幅は1人当たり440mm、境界に詰め物をするととともに座面奥に縫込みをして着席位置を明示していますが、特に仕切りも無いため混雑時でも8人くらいで座っていることが多いように見受けられます。

(100)優先5人がけs10-5人掛け優先b

車端部の5人掛け、まずは扉側2席が優先席とされているものからご紹介。いずれも座面は通常部と同一、背摺りに青系の色を用いている点は共通しています。紫モケットでは背摺りのラインを茶色から水色に、茶モケットは背摺り全体を同じ模様で青色にしています。前者は褪色が著しく、特に水色のラインはかなり薄くなってしまっています。

(100)5人がけs70-5人掛けbs

優先席のない5人掛けは3700系の中間車岐阜方のみ。同系は紫モケットがあっさり全滅してしまったので、左の写真は撮り直しも叶わず微妙な写りなのが悲しいところ。1人当たり幅は扉間より幾分広く460mmあるようです。

(100)2人がけs70-2人掛けbs

乗務員室直後は2人掛け。ここも460mmと幾分広めで、窮屈感を多少なりとも軽減させています。

10-車いすスペース

運転室直後には車椅子スペースを設置。手摺り少なめ、固定金具無しは今まで通りですが、窓横に非常通報装置が設置されました。


102-運転台

運転台ですが、3100系3次車以外は3500系と同様の構成。ここ数年右側に機器が増設されています。

(1003)運転台s

3100系3次車は右手ワンハンドル、支援モニタ付に変更されました。この構成は以後の各形式にも引き継がれていますが、伝送系の仕組みは異なるようです。古い写真なので、速度計の下の圧力計は3500系から採用されたデジタル式の圧力計です。前掲の3700系なども当初はこのタイプを採用していましたが、徐々に交換され既にこのタイプは消滅したようです。

座席系

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関連項目

編成別写真集>3100系
編成別写真集>3700系

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