富山地方鉄道0600形|編成別写真集 -FUKUJU TRAIN NET-

TLR0600形

富山ライトレール富山港線は富山~岩瀬浜間を結んでいたJR富山港線を一部路線変更し、2006年にLRT化した路線である。運行や施設の維持管理は富山ライトレールが、施設整備や更新は富山市が行う公設民営方式を採用している。路線のうち富山口~下奥井間に新設された奥田中学校前電停以南は経路変更で路面電車化され富山駅北停留所に乗り入れ、従来の経路は廃線となった。路面電車化にあたっては超低床車のTLR0600形「PORTRAM」が導入されている。

 

 車両は岡山電軌9200形以降各地で導入されている、新潟トランシスがアドトランツ(後にボンバルディア)からのライセンス契約で製造した「インチェントロ」の車体とブレーメン形の足回りを組み合わせた2連接車で、富山県では万葉線のMLRV1000形に続く2例目である。岩瀬浜方をパンタグラフ搭載のA車、富山駅北方をB車としている。

 車体は前面が大型の曲面ガラスとFRPを用いた構成、側面には各車体片側1か所ずつ扉(プラグドア)を設置、行先表示器はLED式である。塗装は白基調ながら前面窓下部と側扉付近には本形式が当初7両だったことから、虹に因んだ1両ずつ異なるアクセントカラーを入れている。車内はクロスシート主体で、扉付近にのみロングシートを設置しており、照明には半間接式とダウンライトを採用している。床面高さは出入口付近が300mm、通路部は360mm、通路はもっとも狭い部分で660mmとしている。なお座席は製造から10年足らずの2015年ごろから全編成が交換されている。

 主要機器は制御装置がIGBT素子のVVVFインバーター、主電動機は誘導電動機、ブレーキは回生・発電併用の電気指令式を採用。空調装置は各車体に1台搭載している。主電動機と台車、パンタグラフはボンバルディア製、このうち台車はボルスタレス台車で車輪には輪軸の無い弾性車輪を用いている。

 

 JR富山駅高架化に伴い富山地方鉄道軌道線との直通運転が計画されており、2010年開通の富山地方鉄道富山都心線向けには本形式とほぼ同一設計のデ9000形が導入されている。また2019年には直通運転に対応するため、主電動機を国産化し形式をTLR0600E形とした第8編成を投入している。アクセントカラーは銀色で、ミラーフィルムを用いたため光が当たると反射するのが特徴。


 開業時に7両が、2019年に1両が製造され、現在は8両が同線の全列車に充当される。富山ライトレールは2020年の富山地方鉄道軌道線との直通運転開始に先立ち富山地方鉄道に吸収合併され、本形式は富山地方鉄道の所属となり富山港線は戦時買収による国有化以来77年ぶりに富山地方鉄道に「復帰」した。これに際し形式は0600形に改められたようで、移籍後は順次車体の前面や側面等のレタリングの表記を改めている。また地鉄軌道線への直通を前にICカード利用者に限り可能としていた後扉からの降車取扱いが廃止されたため、後扉のICカード読取り機が撤去されている。
路面電車南北直通化後は富山港線のほか従来の富山地鉄市内線の全線にも乗り入れるようになり、ほぼ同形のデ9000形と共通で運用されているようである。

 

TLR0601
▲富山ライトレール時代TLR0601
▲2013年8月撮影「鉄道むすめ」ラッピング
▼2020年3月撮影 路面電車南北直通記念ラッピング
TLR0601_2003

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(←TLR0601)

TLR0602_2003
▲2020年3月の様子(車体レタリングなし)
▼富山ライトレール時代TLR0602

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(←TLR0602)

TLR0603_2006
▲現在の姿 ▼富山ライトレール時代
TLR0603
TLR0603_2003
▲2020年3月撮影 路面電車南北直通記念ラッピング

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(←TLR0603)

TLR0604_2006
▲現在の姿 ▼富山ライトレール時代
TLR0604

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(←TLR0604)

TLR0605_2005
▲現在の姿 ▼富山ライトレール時代
TLR0605

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(←TLR0605)

TLR0606_2006
▲現在の姿 ▼富山ライトレール時代
TLR0606
TLR0606_2003
▲2020年3月撮影 路面電車南北直通記念ラッピング

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(←TLR0606)

TLR0607_2006
▲現在の姿 ▼富山ライトレール時代
TLR0607

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(←TLR0607)

TLR0608_2006
▲現在の姿 ▼富山ライトレール時代
TLR0608
TLR0608_2003
▲2020年3月撮影 路面電車南北直通記念ラッピング

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(←TLR0608)

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