阪急1000系|FTN trainseat.net

阪急1000系

写真: 1014

建造後50年弱が経過しても神戸線・宝塚線で活躍していた3000系は9000系投入で概ね置き換えられましたが、それでも他社に比べれば高経年車が多いことに変わりはなく、更に支線に目を向けると3000系が主力の路線が多数… そんな中2013年に登場したのが1000系です。車体は9000系に続き日立A-trainですが、前面は7000系のリニューアル車を想起させるデザインとし折妻形状の後退角も小さめ、また9000・9300系にあった屋根上レール方向に設けられていたカバーも無くしたため「普通の電車」な印象。朝の10連運用など他編成の併結を考えないため梅田方先頭の連結器に電連は無く、貫通扉周りを締めていた銀色の幌枠も無いため当初は違和感もありました。機器類は主電動機に永久磁石同期電動機(PMSM)を採用、置き換え対象が古い抵抗制御車ですから省エネ効果は結構なものでしょう。

2013年の登場後かなりのペースで増備が進んでおり、2019年度までに8連19編成が建造されています。神戸線・宝塚線とも平日朝の増解結が絡む運用が減少したこともあり活躍の場を広げており、宝塚線の車両は能勢電鉄直通「日生エクスプレス」にも充当されます。また京都線には2014年に寸法と主要機器以外ほぼ同じの1300系が投入され、2019年度までに10編成が投入されています。


10-車内全景

車内全景です。3扉・ロングシートは阪急電車標準のレイアウト、木目調の化粧板に緑のモケットという阪急伝統の色合いではありますが、これまでに無い大型袖仕切と縦方向の握り棒の採用でまた印象が変わりました。

10-車端部

車端部は9000系とほぼ同等の構成、妻面は化粧板を濃くしています。9000系でセンサー式自動扉とした貫通扉ですが、大盤振る舞いが過ぎたか流石に手動式に戻っています。扉窓の天地寸法が大きいのも7000系の途中から採用されて30年以上が経過、伝統と表現しても良い領域でしょうか。

10-乗務員室仕切

乗務員室仕切です。濃いめの色合いとした化粧板や大きな窓は9000系と同様ですが、天井との兼ね合いか仕切戸は若干低いようです。

13-扉

扉…ですが写真が無く京都線1300系のものをご覧いただきます(撮影し次第差し替えます)。9000系では側窓よりも下方に随分大きな窓を用いていましたが、本形式では天地寸法を縮小し側窓と同サイズとしています。

10-LCD

扉上の情報案内装置は9000系に続き液晶式ですが、32インチハーフのモニタ1枚として2画面に分けていた内容を1画面にまとめました。ご覧のような駅前後での表示は従来に比べ大きく出来ますし、写真が無く恐縮ですが横長の路線図表示ではその本領を発揮します。また広告表示などでも必ずしも半分ずつにする必要が無く、実際には左5分の2程度のスペースで表示するようです。表示の自由度の高さから他社にも波及するかと思いましたが、採用に至ったのは今のところグループ各社の他は大阪市営地下鉄と静岡鉄道くらいのようですね。

10-天井

天井は一般的な構成に戻りました。9000系では通勤電車とは思えぬ半間接照明を採用していましたが、この形状のLED照明であれば前述の問題がそもそも無くなっています。無塗装のラインデリア整風板も阪急では久々の登場でしょうか、阪急では7000系の途中辺りから長らく色付きを用いていました。

10-床

床は9000系と同様で灰色系、中央にフットラインを兼ねたブロックパターンの敷物を採用しています。

10-窓

窓は扉間3枚・車端2枚に戻りました。開閉窓は8000系・9000系とパワーウインドウを採用してきましたがこれも取り止め、また9000系で凝った形状とした荷棚も通常のパイプ式としており、既に触れた項目も含めて全体的にコストダウンを図っている印象です。もっとも9000系が通勤電車にしては「大盤振る舞い」が過ぎていたという話はあるかもしれませんが…

10-8人掛け10-8人掛け2

座席を見ていきます。扉間は8人掛け、9000系に引き続き間仕切りを入れることで定員着席を促します。座席は阪急伝統のゴールデンオリーブ色のモケットを用いた柔らかいもの、これはもう変わらないでしょうし変えられないでしょう。一方立客の安全性確保などの観点から大型袖仕切と縦方向の握り棒を初採用しています。大型袖仕切の内側は当初光沢ありとしており違和感がありましたが、社内でも同様に考えた人がいたのか割と早々に光沢無しに変更、初期の車両も光沢なしに変更したようです。

10-5人掛け10-5人掛け優先

車端部は5人掛け。窓割との兼ね合いか9000系から中仕切の位置が変わっており、扉側が3人掛けとなっています。本形式登場後少しして優先席は蘇芳色のモケットを用いるようになりました。

13-車椅子スペース10-2人掛け2優先

車椅子スペースは各車に設置、引き続き必要最低限の設備です。横の座席は5人掛けとの兼ね合いで従来の3人掛けから2人掛けになりました。袖仕切は他と同様大型のものも設けられそうな雰囲気ではありますが、「窓の大きな穴に窓枠を嵌める」車体構造との兼ね合いか小型のものを使用。

10-2人掛け10-2人掛け優先

乗務員室直後は2人掛け、大きな窓も相まって引き続き人気の区画です。神宝方先頭部は優先席、車端部と同様モケットを蘇芳色としています。


10-運転台

運転台です。レイアウトは9000系を概ね踏襲していますが、角度をつけて設けていたモニタやスタフ挿しは8000系以前と同様横並びで配置しています。

座席系

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