阪急7000系(7007F・7008F)
1979年に登場した7000系は2001年から更新が開始されましたが、210両の阪急最大勢力にも拘らずペースは2年に1編成程度と低調。2008年に実施された7300系7320Fのリニューアル工事は従来7000系で実施された内容に加え、大きなガラスに前照灯まで拡大された銀色の幌枠など8000系を思わせる前面形状に改められ驚いたことを思い出します。
今回ご紹介するのは神戸線7000系に対して2009年から翌年にかけ同様のメニューで施工された編成の様子ですが、残念ながら早々に息切れしてしまったようでこの形態の編成は前述7300系を含めても3編成に留まってしまいました。外観の割に足回りは従来と変わらないため、本形式アルミ車が次々とリニューアルでVVVFインバーター制御化されると本グループを含めた鋼製車体・界磁チョッパ制御組は平日朝のみ使用される10連半固定運用に回される場面も見られるようになっています。
まずは車内全景から。先に大規模工事を受けた7000・02・04Fのメニューを深度化したような内容で、当時の新車である9000系の要素は一部取り入れつつも明らかに異なる仕上がり。褪色を考慮した濃いめの味付けは本グループ投入時点だと神戸線でも少数派、扉上の液晶モニタなどは阪急のみならず関西圏全体を見渡しても早期の採用でした。
車端部は従来通りの構成、化粧板が一段と濃いのはリニューアル車共通です。
乗務員室仕切です。化粧板を濃色化しただけでなく、前面貫通扉の窓が大型化されたのに合わせ仕切戸の窓も下方に拡大されました。
床敷物はフットラインを意識したブロック柄入りのものに交換。9000系も似たような柄ですが、こちらは従来の大規模工事車と同一の柄を用いています。
天井はラインデリアを追加、グリルを連続化した後期車並みの見付になりました。蛍光灯カバーは溶融しづらい材質の物に交換され、他とは異なる角の無い形状になっています。
扉はお馴染み窓を下方に大きく拡大したものに交換、UVカットの複層ガラスを用いています。扉開閉チャイムや開閉予告灯も設置。
情報案内装置は9000系同様に液晶式を千鳥配置。左は広告、右は種別・行先や停車駅、ホームの案内など列車情報を案内します。種別・行先を表示する部分の背景は各線のラインカラーとされ、本グループは2編成とも神戸線で活躍していますので青になっています。
側窓はUVカットガラスに交換し一部を固定化、開閉可能な窓は8000系や9000系と同様なんとパワーウインドウ化しています。日除けはフリーストップ式カーテンに交換されました。荷棚は従来塩ビコーティングパイプを用いていたところ、これまた火災対策としてアルミ角パイプを枕木方向に並べたものに変更されています。
座席を見ていきましょう、まずは扉間のロングシートから。元々9人掛けだったところ、9000系と同様に1人当たり幅の拡大と間仕切りの設置を実施し8人掛けとしました。また背摺りは傾斜のあるものに、袖仕切も7000系後期車以降と同様パイプと袖板の組み合わせに変更されています。座席の構造自体は従来と同様ですが、脚台は7000系後期車や8000系と同様に黒く塗っています。
車端部は5人掛け、ここも間に仕切を入れ2人と3人に分離。この部分は従来も5人掛けで、1人当たり幅を470mm程度取るため座席を側扉方向に延長しています。優先席は各車神宝寄りに設定され臙脂色のモケットに交換されていますが、毛並みの問題か手前と奥で色が随分異なって見えます。
車椅子スペースです。新造車は各車1か所、リニューアル車の場合どういう訳か2両に1か所の場合が多い中、本グループは新造車同様各車に用意されています。
乗務員室直後と車椅子スペース横は2人掛け。上写真の通り一部箇所は優先席とされていますが、単体の写真は撮り損ねてしまいました。ソファのような柔らかい掛け心地や毛足の長いモケットは従来通り、背摺りの厚みが増し傾斜がついたことでリニューアル前より掛け心地は良くなっているかと思います。
運転台です。構造は変わりませんが計器やスイッチの交換、デスク部に貼ったレザーの張替えを行っているそうです。
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