阪急7000系(7009F)
1979年に登場した7000系は2001年度から本格的な更新が開始されましたが、210両の阪急最大勢力にも拘らずペースは年1編成以下と低調なまま推移。2008年から2010年にかけて施工された編成は内装だけでなく前面形状まで大きく変更して趣味者を驚かせましたが、今回ご紹介する2011年施工の7009Fは従来の阪急電車スタイルそのままで登場したものですからその落差にまたも驚かされた覚えがあります。従来のリニューアル車と同様足回りに変更はありません。
当初は他編成に伍して神戸線の各列車で活躍していましたが、本形式アルミ車体組がリニューアルの際VVVF制御化改造されると本グループを含む界磁チョッパ制御の編成は平日朝の通勤特急以外に運用が無い10連半固定編成に回される場面が増えています。
まずは車内全景。外装にはほとんど手を付けなかったのに対し、内装は一見したところリニューアル車と遜色ないレベルまで手を加えています。近隣で例えるとJR西日本の体質改善40N(内外装しっかり手を加えている)と同30N(内装中心のリニューアル)の違いと表現すればよいでしょうか。
なお今回の写真は写り込む他車を含め大半のカーテンが閉じているのが一つ見どころと言えましょうか。実はこの日台風が接近しており、阪急電車の伝統として万が一のガラス飛散を防ぐため電車は皆日除けを閉めて出庫していたのです。ただこの日の台風接近は夜のこと、夕方までは快晴でしたから、乗客の手により日の当たらない側を中心に日除けが開けられていったのはある種自然な成り行きといったところ。
車端部は貫通扉を交換したほか、リニューアル車共通メニューとして化粧板の濃色化を行っています。
乗務員室仕切も化粧板の濃色化を実施。7007・08Fは前面貫通扉窓の下方拡大に合わせて仕切戸も窓が大きなタイプに交換されていましたが、当編成は貫通扉がそのままですから交換の必要もなく従来品を再用しています。
床敷物は通路部にブロック模様を並べた、リニューアル車のみならず既存車の張替でも見られるお馴染みの柄。
天井はグリルを連続化した後期車並みの見付に変更、蛍光灯カバーは火災対策で溶融しづらい材質の角の無い形状に変更されています。
扉はUVカットの複層ガラスを用いた窓の大きなタイプに交換、扉開閉チャイムや開閉予告灯も設置されています。ところで広告枠の上に見えているのは…
7007・07Fでは液晶式2画面だった情報案内装置ですが、当編成では何と過去の大規模工事車並みのLED式が再登場。列車案内や次駅案内など情報量としては十分かと思いますが小さい文字サイズは変わりませんし、何より液晶式2画面を見せられた後にこれはちょっと…と言うのが正直な感想。流石にこの仕様は1編成のみに留まり、次の編成からは再び液晶式2画面に復帰しています。
側窓はUVカットガラスに交換し一部を固定化。7007・08Fでは開閉可能窓のパワーウインドウ化まで行われていましたが、これは流石にやり過ぎと見え省略されています。日除けはフリーストップカーテンに、荷棚は火災対策でアルミ製に、それぞれ交換されています。
座席を見て行きます、まずは扉間の8人掛けから。1人あたり幅を470mm程度まで拡大、更に3-2-3で間仕切りを設けたため定員は元々の9人掛けから8人掛けに減少しています。また背摺りは傾斜のあるものに、袖仕切もパイプと袖板の組み合わせに変更されています。
車端部は5人掛け、ここも間に仕切を入れ扉寄りが3人、奥を2人に分割しています。優先席は後年臙脂色のモケットに張り替え、カーテンも優先席の印刷が入ったものに交換されています。
車椅子スペースは7007・08Fの各車1か所から大規模工事車並みの2両に1か所に先祖返りしました。ただ結果的には前述2編成が異端だった格好で、再度各車1か所に設置されるのは2016年度施工車まで待つこととなります。
乗務員室直後と車椅子スペース横は2人掛け。いずれも片側は壁ですから、特に知らぬ者同士だと心理的にちょっと狭く感じるかも。
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最終更新：2023/6/18