7000系

70007015N

7000系は1980年に登場した神宝線用の車両である。車体は6000系をベースとしたが、足回りに界磁チョッパ制御を採用、久々に回生制動を常用する形式となった。車番は先頭車下2桁が0~19の編成が8連、20番台の編成は6連、30番台の編成は2連(1C4M・神宝方がTc)と区別されているが、当初から0~19の間に6連があったり20番台にも4連や2連があるなどしているため、現在は区別の意味がなくなっている。

【車両の概要】
 車体は前述の通り6000系とほぼ同一であるが、乗務員室は他編成と併結した際に車掌台側を締切るための仕切りを設置した。1984年製造車からは車体をアルミ製に変更し車体幅も30mm拡幅しているほか、車内では冷房吹き出し口の連続化や袖仕切形状の変更、貫通扉の天地寸法拡大などが行われている(増結中間車は従来通り)。また1985年以降は乗務員室直後の2人掛け席部に小窓を設置しているが、これは既存車に対しても改造で設置が進んでいる。塗装は当初マルーン1色であったが、
 一方で主要機器は界磁チョッパ制御と複巻電動機の組み合わせを採用、2000系以来久々に回生制動を常用している。制御装置は1C8Mが基本だが、30番台のものは2連向けとして小加工を施し1C4Mとしている。制動装置が6000系と同じであるため6000系と併結可能で、6000系の付随車を組み込む編成も存在する。冷房装置は6000系と同様であるが、1981年度製造車からスイープファンを設置したため屋根上の配置が異なっている。台車は従来車と同じFS369A(電動台車)・FS069A(付随台車)であるが、7005Fの2両はSS102を試用、7012FはSS102Aを製造から20年以上使用していたが何れも前述の標準台車に取り替えられている。

【大規模工事とリニューアル】
 1998年からは大規模工事が、2009年にはリニューアル工事が開始されているが、施工時期に幅があるため実施時期によって内容に大きな差が見られる。主な内容は車椅子スペース、扉開閉予告チャイム、車内の情報案内装置の設置などで、2002年以降に施工した車両では5000系リニューアル車などと同様の改造内容となっており、扉が取り替えられるなど外観にも相違が生まれている。
 2009年からは大規模工事を更に深めた「リニューアル工事」を実施しているが、車内は座席を2~3人ごとの仕切りを設置したり、情報案内装置のLED化など9000系並みの仕様としている。また7007F・7008Fは前面の変更や方向幕のLED化などを伴う大掛かりなものであったが、次の7009Fは2008年以前の大規模更新並みにトーンダウン。7010F・7020Fは前面車番の移設と大型ステップを設置、車内は7007F・7008F並みの内容としたほか、車内灯にLEDを採用している。2016年の7013F・7014Fからは京都線7300系リニューアル車に倣って諸設備を1000・1300系並みとする内容になり、前面の意匠は7300系リニューアル車と同様の7010F・7020Fに加えて貫通扉取り換えを実施、車内は情報案内装置を32インチハーフの液晶式に、加えて制御装置と主電動機の1000系と同等品への取り換えを行っている。

【運用】
神戸線・宝塚線を中心に活躍しているが、6000系が宝塚線中心に配属されているのに対して7000系は神戸線中心に配属されている。両線とも平日朝ラッシュ時の10連運用に絡むほか、神戸線では115km/h運転を行う特急でも活躍する。なお2015年に宝塚線、翌年には神戸線で行われたダイヤ改正で10連運用が縮小されたため増結車に余剰が発生、このうち神戸線の7034F・7035Fは2016年から両編成を併結して4連で伊丹線にて使用している。また余剰となった増結車のうち2編成は6000系の付随車と共に能勢電鉄に譲渡、車内や足回りを改造の上7200系として活躍している。

なお7006Fは2019年に京都線に転属、改造のうえ観光列車「京とれいん 雅洛」として運転を開始した。土休日に快速特急として梅田~河原町間を走るほか、行楽期の平日には神戸線~嵐山線直通の臨時列車にも充当される。

 

↓編成ごとに見る↓

神戸線<8連>

7000F 7001F 7002F 7003F 7004F
7006F 7007F 7008F 7009F 7010F
7012F 7013F 7014F 7017F 7019F
7020F 7021F 7022F 7027F  

神戸線<8連>

(分割対応・後ろ6両)

8042F(7001F) 8032F(7017F) 8035F(7023F) 8031F(7006F) 8032F(7014F)
宝塚線<8連> 7011F 7015F 7018F 7025F  
今津北線<6連> 7005F 7001F 7003F    
伊丹線<4連> 7034F        
宝塚線系<4連> 7031F 8040F(7024F)      

神戸線<増結編成>

7005F 7016F 7025F 7030F 7034F
7035F 7036F 7037F    
宝塚線<増結編成> 7026F 7031F 7032F 7033F  

京都線
<京とれいん 雅洛>

7006F        

灰地編成は編成替え等で現存せず 黒地編成は廃車(能勢電鉄に譲渡)

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最終更新:2022/10/30

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